メンバー紹介

澤村 友里

ベトナムトレーディング株式会社 代表取締役

PROFILE

澤村 友里(さわむら ゆり) ベトナム・ホーチミン市出身。12歳の時に来日。熊本県立大学総合管理学部卒業。大学3年時に起業しLCCジャパンを設立。モデル・タレント業や日本語・ベトナム語講師などの経験も豊富。その後、2013年にベトナムトレーディング株式会社を設立し、代表取締役に就任。2015年には日越協同組合を立ち上げ、代表理事を務める。2017年、有限会社ベトナムトレーディング(ベトナム現地法人)を設立、会長を務める。

学生時代に起業し、日本とベトナムの架け橋として人事を尽くす

現在の事業内容を教えてください。

澤村 友里 ベトナムトレーディング株式会社 代表取締役(以下 澤村代表)現在は、ベトナム人材に特化して人材教育~人材紹介を行っているベトナムトレーディング株式会社、外国人技能実習生の共同受入事業を行っている日越協同組合、ベトナム・ホーチミン市にある有限会社ベトナムトレーディング(ベトナム現地法人)の3社を運営しています。起業した当初は通訳・翻訳、貿易や日本語教育など幅広い事業を行っていましたが、日本で働きたいと熱望する数多くのベトナム人の存在を知り、日越協同組合を立ち上げ技能実習生事業を起こしました。
2019年4月からは新しい在留資格である「特定技能」制度がスタートしたこともあり、特定技能人材の人材紹介事業に力を入れ始め現在の事業形態になりました。ベトナム人技能実習生・特定技能人材の紹介に関してはそう菜製造業・飲食料品製造業を中心に、建設業、農業、自動車整備業といった職種の企業様とお取引いただいています。
特に、熊本県内の飲食料品製造業においては、特定技能ベトナム人材の紹介実績はトップクラスです。

大学在学中に起業されたきっかけは?

澤村代表きっかけは高校の先生の言葉でした。元々はベトナム語の通訳をとことんまで極めて、国連職員になろうと考えていましたが、高校の先生から「澤村は想いが強く発言力があるから、何かそういう仕事をやったらどうか?」と言われました。その言葉を頂いたときに「だったら社長しかない!」と閃いたんです。その後は、社長になるために経済学を学ぼうと大学へ進学し、「経営」・「ビジネス」・「起業」といったワードが付く講義を、とても数多く受講しました。ただ、正直、そこで学んだ知識を実際の経営にどう活かしたらいいのか分からなかったんですね。そこで、「とにかく実践あるのみ」と考え、大学3年時に起業したんです。当時はあまり何も考えず突き進む形で、「これがやりたい!」と思ったら、「それを実現するためにはどうしたら良いのか?」としか考えていなかったですね。だから、実を言うと沢山失敗してきました(笑)

ベトナム人の夢の実現をサポートする新規事業を展開

事業を進める中で大事にされていることはありますか?

澤村代表私たちの想いやスタンスを受入企業様にもベトナム人材にも理解して頂くことです。企業様に関しては、私たちと一緒に人材を育てるお気持ちがあられるかどうか。人材が会社で自立して活躍できる環境を用意して頂けるかどうか。ベトナム人材に対してであれば、ベトナム人としての誇りを持って日本で働き、ベトナム人としてのブランド・信頼を一緒に作っていくことが出来るかどうか、等をお訊きしています。当社のスタッフに向けても、理念や想いを共有することで、スタッフ一人一人が「日本とベトナムをつなぐ」という使命感をもって働いてくれていると感じています。
また、弊社ではベトナム人材をサポートするための相談窓口を設置し3名のベトナム人スタッフが日々対応しています。「日本での家族」として安心して気軽に相談できるような体制を整えていることもあり、失踪者は立ち上げ当初から1人もいません。私たちは日本で一番と言える程にベトナム人材に対しての想いが強い会社だと自負していますし、今後もそこは自信を持って貫いていきたいですね。
もちろん、失踪者ゼロという実績は私たちだけでは決して出来ないことです。これまでの企業様のご協力とご理解があってこそだと思います。また、ベトナムに帰国する人材に関しては3年間日本の企業様の為に貢献してくれたことや、最後まで勤め上げてベトナム人のブランド・信頼を守ってくれたことに心から感謝しています。

今後のビジョンを教えてください。

澤村代表私は24歳の時に盛和塾に入会し、経営者としての考え方や利他の心を学んできました。今後は実績をつくり地域への貢献、企業としての評価につなげることが大事だと考えています。具体的な数字での目標としては、年間売上高30億円の会社を目指しています。そうなることで、熊本がもっと元気になると思うからです。
また、今年の6月には東京営業所を開設し、新たなチャレンジを進めているところです。コロナ禍にも関わらず東京営業所の開設に至った背景としては、ベトナム人材の次なる活躍の場を提供したいという想いからでした。特定技能人材になると転職が可能になるため、熊本より給与が高い傾向にある東名阪などの更なる都市部に出ていくベトナム人材が増えています。ただ、転職するにしても、仕事選びに失敗し再び熊本に戻ってくる人材もいるため、私たちが最後までその人材をサポートしたいと思ったのがきっかけです。
コロナが落ち着いたら、ベトナムにおける新たな事業として住宅メーカーを立ち上げたいとも考えています。まだ構想段階ですが、帰国後に「日本風の家を建てたい」というベトナム人材の声が多かったので、なんとか実現させたいですね。先程の売上目標の達成はもちろん、より多くの方々・地域へ貢献するためにどのようにアクションし、結果に繋げられるか、を常に考えています。

環境や機会を活かし、経営者・企業としてさらなる成長へ

熊本創生企業家ネットワークに入会されて変化はありましたか?

澤村代表実は東京営業所の開設も熊創の理事の方の後押しがあってスタート出来たんです。デスクの1つだったら無償で置いていいよ、という風におっしゃってくださいました。また、ベンチャー部会での学びも、とても大きいです。当社で抱えている課題をチームでシェアして意見を頂くことができる、非常に貴重な場です。先輩方からの経営哲学を常に吸収し、そして何よりも実践に移すため、今年の1月には組織体制を新たに刷新しました。まだ新体制になって1年も経っていませんが、会社の雰囲気が格段に良くなりましたし、スタッフ一人一人の役割が明確になり、目指す方向性も一致してきているとハッキリ感じます。
熊創という場を通じて、近い距離に立派な経営者の方々がいることもあり、とても多くを学ばせて頂けていると同時に、自分の立ち位置や知識・能力はまだまだだと痛感させられて、正直、悔しさもあります。
引き続き、今後も、今の自分に満足することなく、成長し続けていきます。まだまだ頑張っていきます!