メンバー紹介

竹下 英徳

トイメディカル株式会社代表取締役社長

PROFILE

竹下英徳(たけした・ひでのり) 天草出身。兵庫県立大学を卒業後、外資系製薬メーカーに入社。1998年に熊本へUターン。リバテープ製薬株式会社で商品開発を経て、2013年トイメディカル株式会社設立、代表取締役社長就任。

医療機器の開発・販売に取り組まれていますが、具体的にどのような機器を開発されているんですか?

竹下英徳トイメディカル株式会社社長(竹下社長)当社では誰かが困っていることを解決していきたいという思いで、医療機器を開発しています。例えば、医療用のテープを剥がす際に「痛い」と感じる患者さんが多いので、剥ぐときに痛くないテープや、そもそもテープを使用しなくて良いような固定バンドを開発しています。売れる商品ではなく、苦悩や悩みを解決する商品を作ることを第一に考えています。

「病気で苦しんでいる人が治療でも苦しまなくていい」事業に掲げる思い

患者さんの立場に立った医療機器を開発されている、ということですね。

竹下社長最近ではサプリメントの開発・販売にも注力しています。現在、排塩サプリメント「Delsalt(デルソル)」を販売しています。これは塩分吸収を抑制するもので、「もう一度、ラーメンが食べたい」という透析患者の願いをなんとかしたいと開発した商品です。
透析患者は治療の厳しさはもとより、食に対する我慢に苦痛を感じている方も多く、想像以上にニーズが高いんです。塩分は高血圧の原因にもなります。高血圧に悩んでいる方は世界中で10億人に達すると言われています。10年20年かけてでも減らしていきたいと思っています。
それには予防が大切なんです。サプリメントはすでに塩分を気にしている人しか飲みません。そこで、塩そのものに視野を向けています。体内に吸収されない塩の開発を進めていて、これを世界的なチェーン店に提案していける体制を整えていきたいと考えています。

確かに、治療のためとはいえ、食事制限は辛いものがあります。そこに対するニーズは大きいですね。

竹下社長当社では「To make your smile(あなたを笑顔にするために)」を理念にしています。医療の業界は治療のために我慢させるのがあたりまえといった風潮があるんです。ですが、病気で苦しんでいる人が治療にまで苦しまなくていいと思います。
これは医療機器もサプリメントでも共通の考えで、今後もその理念にそった製品開発を進めていきます。

経営者同士、悩みを共有できる場所

どのようなきっかけで熊本創生企業家ネットワークに参加されたのですか?

竹下社長理事の方から紹介を受けました。県内の大手企業と当社のような小規模な企業ではなかなか繋がれないのが現状です。そのような中でも県内の志高い企業とつながりを持てる点に魅力を感じました。
それは、事業成長のためにというのはもちろんですが、経営者同士で相談しあったり、切磋琢磨したりできる環境としても非常に魅力的でした。
熊本創生企業家ネットワークに加入する以前は、「なんで上手くやれないのだろう」と一人で悩んでばかりでした。しかし、加入後は先輩経営者と話す機会も増え、「自分たちだって悩んでいる」と同じ苦しみを分かち合ってくださることで、心が救われました。怒られたりダメ出しされたりすることも多いですが、非常にありがたい環境です。

特に印象に残っている言葉やエピソードはありますか?

竹下社長本郷社長の「経営者は経営をしなさい」という言葉が一番印象に残っています。当たり前のように聞こえるかも知れませんが、それまでは目の前のトラブルシューティングに追われてしっかりと経営に専念できていなかったんです。もちろん、他の講師の方々から学ぶことも多く、これまで経営者として不足していた部分が何なのか痛感させられました。

今後の熊本創生企業家ネットワークにどのような期待を持っていますか?

竹下社長熊本の経営者が、新しく助け合っていける体制ができていけばいいなと思います。また、人口が減少する中で熊本だけで完結する事業では限界がきます。しっかりアウトバウンドの考え方を持っていきたいですね。また人の育成という意味でベンチャーマインドを培って行きたいと思います。かっこいいベンチャー企業があって、そこでスキルを磨く学生が増えていけば、熊本の活力になるのではないでしょうか。
熊本創生企業家ネットワークでは、学ぶこと、挑戦できることが非常に多く、運営の方々も具体的なアドバイスをくださります。同じ目線で同じような悩みを自分たちで解決できる環境なので、コンサルタントを入れるよりも有意義な場だと感じています。