メンバー紹介

石坂 彰裕

有価物回収協同組合石坂グループ 営業本部営業部二課課長

PROFILE

石坂 彰裕(いしざか・あきひろ) 5年20月生まれ。熊本市出身。九州学院高等学校を卒業後、アメリカに留学。アメリカのカリフォルニア州にあるサンタモニカ・カレッジ、カリフォルニア州立大学を卒業後、Safeshred Co., Inc.に勤める。2015年に帰国し有価物回収協同組合石坂グループに入社。2020年から現職である営業本部課長へ。

循環型社会の実現に向けて有価物を最大限に利用

事業内容を教えて下さい。

石坂 彰裕 有価物回収協同組合石坂グループ(以下 石坂氏)当社はリサイクル事業及び廃棄物処理事業を通じ、循環型社会の構築へ向けた活動を行っております。具体的にはあきビンあき缶・ペットボトル・資源物・不燃物・プラスチック品・金属・古紙などの収集から選別、リサイクルを行い、多方面から排出される廃棄物を選別・加工し新たな価値を見出しています。できる限り廃棄物の排出を抑制することを最優先としつつ、廃棄物となったものについては不適正処理の防止、その他の環境への負荷の低減に配慮し、再使用、再生利用、熱回収の順にできる限り循環的な利用を行っています。

地域社会の環境保全に欠かせない事業ですね。

石坂氏私たちの使命は限りある資源と美しい地球環境を次世代に引き継いでいくことだと考えています。私が当社に入社したのは2015年でしたが、入社した翌年には熊本地震が起こりました。震災時には、熊本県より災害廃棄物処理事業を受託し2年程私も業務に携わりましたが、災害発生後の地域住民の方々の生活環境を守り、公衆衛生の悪化を防止することにもつながるため、改めて当社の事業の価値を感じた瞬間でした。
また、震災時には関連会社である株式会社九州環境ネットワークの加盟企業から何十人という支援者の方々が駆けつけてくれました。九州環境ネットワークとは廃棄物処理業者や再生資源回収業者など、その地域で先進的な取り組みをしている九州各県を代表する27社の環境貢献企業の集まりになります。この時は非常に助けられましたし、同業他社と競争するのではなくアライアンスを組むことの重要性を実感しましたね。

最先端の技術を活用し、新規事業を展開

現在取り組まれていることを教えてください

石坂氏会社のイメージ向上や社員のモチベーションUPに繋がるような取り組みを行い、新卒採用や社員の定着に力を入れています。雇用教育グループを新たに立ち上げ、自社HPや制服のリニューアル、人事評価制度における社員との個別面談などを進めてきました。社員の意見を聞きながら新たな取り組みを進めている初期段階ではありますが、社員一人一人が5年後、10年後、さらにはその先に自分の将来像を描けているかを大事にしつつ、当社で働き続けたいと思ってもらえるような仕組みづくりを行っています。社員の声を直接聞き、本人からキャリアプランや志望を聞くとともに、その職場環境を確認し、問題解決を図ることで、社員の労働環境をより良いものにしていく体制をさらに整えていきたいですね。

今後はどのような事業展開を考えられていますか?

石坂氏既存の事業は主軸として行いながら、最先端の技術を活用した新たなビジネスを展開していきたいと考えています。私の兄は特に創造性が高く、積極的に取り組むタイプなので、兄が主となり既に新たな事業を進めています。一つはAI(人工知能)による選別ロボットの製造と販売です。当社はブルーカラーの仕事が多く、少子高齢化社会においては人材の確保が課題となってきます。そのため、設備の導入による自動化、さらには人手不足を補う仕組みづくりを行っていきたいと取り組んでいます。また、もう一つは農業法人の運営です。現在は病気予防という観点で人参と漢方を栽培していますが、きっかけは当社が指定管理事業として取り組む、熊本市東部堆肥センターで生産された堆肥の有効活用を行いたいという考えからでした。今後も循環型社会の実現に向けて、これから先を常に見据えながら、次世代に繋がる新たな取り組みを行っていきたいと思います。

世代交代に向けて経営の型を学ぶ

熊本創生企業家ネットワークに入会されたきっかけは?

石坂氏株式会社環境と開発の田邉社長からのご紹介がきっかけでした。これまで、異業種の方と交流する機会がなかったことと、スタートアップの企業様も多く、良い刺激や学びにもなるのでは…と思い入会しました。これまで当社の社長でもある父の『経営』を近くで見てきましたが、『経営』に関しては目で見て感覚で掴むのではなく、言語化して得ることが重要だと実感しましたね。また、異なる業界の経営者の方とお話しすることで、日常の業務では知りえない生きた情報を収集することができます。参加されている方々のバイタリティーも非常に高く、想像していた以上に得るものが多くありました。

『経営』についてより深く学びたいと

石坂氏そうですね。当社はこれまで父や叔父といった親族による経営を行ってきましたが、今後は世代交代も見据え兄と私の二人が中心となって会社経営を継続する必要があると考えています。その際にプレイヤーとしての視点ではなく、より高い視点から物事を判断するためにも、経営者としての知識や考え方を養うべきだと思いました。毎月の例会では非常に多くの学びがありますが、参加する中で私が特に意識しているのは、『自社でできていること/できていないこと』を明確にすることです。できていることに関しては、変わらず大事にしていくべきだと思いますし、できていないことに関しては、不足している点となりますので将来的に取り組んで行く必要があります。今後、会社の中心的役割を任せられた際には安心して引き継げるよう、先人から経営を学び、私なりの経営の基礎を築いていきたいですね。