合同会社NAGOMI 代表取締役
小久保 彰二(こくぼ・しょうじ) 1979年9月生まれ。上天草市出身、上天草高等学校を卒業。2014年1月にNAGOMIを立ち上げ、2020年1月に合同会社NAGOMIを設立し代表に就任。
小久保 彰二 合同会社NAGOMI代表取締役(以下 小久保社長)現在は熊本市中央区大江にて『リラクゼーション・もみほぐしなごみ』を経営しています。ご来店いただいたお客様一人ひとりに合わせて「整体、リラクゼーション、もみほぐし」を行っており、日頃の体の疲れや心の疲れを手技を使ってもみほぐし、心身ともにリラックスして頂けるようなサービスを提供しています。今年で事業を始めて8年目になりますが、私自身元々は会社員でマッサージとは全くの無縁でした。28歳の時に中国でマッサージを初めて体験し、何も道具を使わずに己の技術・手技のみでお客様に満足を与える仕事に魅力を感じ、独学で学び始めたのがきっかけです。
趣味の範囲でもいいと思っていましたが、実際に技術を試したい・極めたいと思うようになり全国に展開しているリラクゼーションへ勤めました。初めて対応させて頂いたお客様のことは今でも覚えていますが、ものすごく緊張しましたし、本当に自分でいいのか…と不安でしたね。ただ、「お客様に喜んでいただきたい。」と思い、とにかく60分間がむしゃらに施術を終えると「気持ちよかったよ。」との声を頂き非常に嬉しかったです。何とも言えないものが心に染み渡りました。一生懸命やって、対価を頂いて、お客様の心の声を直に聴くことができる上に、感謝の言葉もいただけます。この時に、この仕事の価値を改めて実感し、もっとお客様を満足させたいと強く思いました。
小久保社長スタッフ一人一人が同じ方向を向いて協調・サポートし合える職場環境をつくりたいと思ったのがきっかけです。技術職なので同じ思いを持ってそれぞれが高め合えるのが理想なのですが、時にはお客様の取り合いや揉め事になることもあって、「お客様を満足させたい」と目指すところは同じなのに、なぜマイナスに働いてしまうのか…と思いました。人生の中で睡眠時間と働いている時間が多くの割合を占めますが、働いている時間にやりがいがないのは勿体無いなと。スタッフが楽しく働ける環境であれば、お店の雰囲気も自然と良くなりますし、お客様にとっても魅力的な場となり、提供できるサービスも向上します。とにかく自分たちが楽しく働ける職場をつくりたいと終始考えていましたね。当時33歳でまだまだ遊びたい気持ちもありましたが、「今しかできないことを本気でやらなくてどうするんだ!」と自分を奮い立たせ、事業を立ち上げました。
小久保社長いや、全然ダメでしたね。腕のいいスタッフが集まったのですが、お客様が全く集まらず…。営業時間は今と同じで朝10時から深夜2時までだったのですが、1日を通してお客様が2名という日もありました。キャンペーンや広報の仕方など試行錯誤しながら取り組みましたが、このままいくとあと3ケ月で運転資金が尽きるところまで…。私自身もそうですが、スタッフも不安だったと思います。いよいよどうしようか…となった時に妻から「ここで辞めて納得できるなら辞めればいいし、納得できないならやり切るしかないんじゃない?」「なぜ立ち上げようと思ったのか再度考えてそこをぶらさずにやったら?」と言われたんです。そこで、立ち上げた頃の気持ちに立ち返り「とにかくアットホームで楽しく仕事が出来る環境をつくろう」と信念を定め、覚悟を決めました。
それからは、何かが吹っ切れたのか私自身もスタッフも一気に変わりましたね。一人一人の方向性も一致し、お客様への対応も変化したことでリピーターも増えました。次の月には売上も劇的に増加。揺るがない信念や想いを定め、共有することの重要性を実感した出来事であり、そのことに気づかせてくれた妻には今でも頭が上がりません(笑)
小久保社長当社のビジョンは「私たちに関わる全ての人達を豊かに出来る会社を目指します」「いつまでも人に必要とされ続ける人間たちの集団を目指します」の二つです。より多くの人達を豊かにするため、来年にはBtoBで企業向けの出張リラクゼーションを考えています。健康経営という観点でも福利厚生としてマッサージサービスを導入していただければ、社員の方の健康増進、業務の生産性向上、モチベーションの向上に繋がりますよね。創業時の想いである「楽しく働ける職場環境づくり」を大事にして、自社だけでなく熊本県内企業の働きやすい環境づくりに繋げていきたいと考えています。
小久保社長熊創に入会するまで当社に理念やビジョンというものはなかったですし、自分自身の考え方や今後の事業展開に関しても改めて向き合える貴重な機会をいただいたと感じています。これまでそういったものは大企業だけが掲げるものだと思っていましたが、スタッフの方向性に関しても道しるべを示して、一つの共通する想いや目標を持つことが良い組織づくりに繋がるのだと実感しました。また、二つ目のビジョンにもつながりますが、技術だけではなく人としての『考え方』を学ぶ必要があると感じるようになりました。全体MTGについてもこれまで行っていなかったのですが、新たに実施しそれぞれの考えや想いを共有しています。MTGを実施したことでより一体感が出てきましたし、働きやすい職場にするため、お客様に喜んでいただくためにどうしたら良いかそれぞれが考えて行動に移せるようになりました。また、良いことは多くの人に広めたいと考え、熊創での学びをスタッフにも共有しています。今後は熊創での学びを基に、スタッフ一人一人が人としても成長できるような場をつくっていきたいですね。