メンバー紹介

池田 竜太

株式会社ハッピーブレイン 代表取締役

PROFILE

池田 竜太(いけだ・りゅうた) 1984年2月生まれ。山鹿市出身。鹿本高校、熊本リハビリテーション学院を卒業後、約14年間医療・福祉施設にて理学療法士として勤務。その後、2020年8月に独立・起業し合同会社ハッピーブレインを設立。2021年5月に株式会社ハッピーブレインに組織変更、代表取締役に就任。

eスポーツを通じて新たな可能性と繋がりを生み出す

事業内容を教えてください。

池田 竜太 株式会社ハッピーブレイン 代表取締役(以下 池田社長)当社では重度障がい者や高齢者の方々にeスポーツ(エレクトロニックスポ―ツ)を通して、社会参加のサポートや「生きがい」となる活動を提供しています。これまで、障がい者スポーツや地域のサロン等、様々なイベントに携わってきましたが、eスポーツは屋外に出ることが難しい方でも全世界と繋がることができ、障がいや年齢も関係なく、皆が平等に楽しみ競い合うことができます。近年ではオリンピックの承認も期待されており、幅広い分野で注目・利用されているスポーツです。私たちは重度障がい者や高齢者の方々を対象に、eスポーツのプレイサポートを行うため様々な福祉器具を活用し、最適な環境調整も行っています。
これまで、高齢者福祉施設や障がい者福祉施設、就労支援事業所などでeスポーツをご利用いただいていますが、高齢者の方々にとっては脳機能の活性化による認知症予防や社会的交流の確保を図れる健康増進長寿スポーツとして非常に好評を頂いています。また、重度障がい者の方においても交流の懸け橋となるだけでなく、PC操作の上達や就労技術の獲得、他者との対戦から競争意識が芽生え、自己肯定感の向上や生きがい作りにもつながっています。

毎月eスポーツを通した大会なども開催されているんですね。

池田社長重度障がい者の方に楽しんでいただけたらと、2021年1月から「はぴぶれ杯」の定期開催をおこなっています。第一回目は「ぷよぷよeスポーツ」を使用したオンライン大会を実施致しましたが、熊本県内の方だけでなく、大阪府や鹿児島県、沖縄県など九州内にとどまらず県内外の方にご参加いただきました。また、熊本県内では初の取り組みとなる重度障がい者の「eスポーツ」イベントとなり様々なメディアでも取り上げて頂きました。この大会の優勝者は筋ジストロフィー患者の方になりますが、eスポーツを始めてパソコンの操作が出来るようになり、大会を通じて自信をつけることができたため、今後は在宅での就労を目指したいと社会参加に意欲的になれたようでした。現在は寝たきり芸人Youtuberのあそどっぐさんとパートナー契約を結び、YouTubeでも大会の配信を行うなど外部に向けた情報発信も積極的におこなっています。

障がいや年齢に関係のない「ごちゃまぜ」となって楽しめる世界をつくる

事業を立ち上げられた経緯を教えてください。

池田社長専門学校を卒業後に勤務していた医療福祉施設で障がい者や高齢者と関わる機会が多くありましたが、その中でも石川県金沢市にある「Share金沢」という街を知ったことが大きなきっかけになります。カンブリア宮殿などでも紹介されましたが、高齢者や大学生、子ども、障がいのある人など分け隔てなく地域住民がごちゃまぜになって暮らせる街になります。同じような街を熊本に作りたいという想いと、なんとか障がい者や高齢者の方々の課題を解決したいと思い事業を立ち上げました。当時はビジネスとして成り立たせるのは難しいのでは…という厳しい意見も多く頂いたのですが、全国的にも珍しい事業を展開し、難病の方々の就労支援も行えることは価値がある事業だと考えスタートしました。

今後のビジョンはどのように考えられていますか?

池田社長私たちが一番実現したい事は、障がいや年齢に関係なく皆が「ごちゃまぜ」となって楽しむことができる世界をつくることです。ごちゃまぜとなる場所や空間をつくるための一つがeスポーツでもあると感じています。また、21年6月には脊髄性筋萎縮症(SMA)で「寝たきりYoutuberしんチャンネル」の西岡伸一郎君(7歳)と専属プレーヤーの契約を交わしました。障がい者の方々の自立や活躍をもっと応援し、多くの方にとって生きがいとなる活動を広めていけると嬉しいですね。
ただ、一方でビジョンの達成に向けては「ビジネスとしての仕組みづくりの強化」という課題もあります。現在はeスポーツイベントの設備費用や大会の開催、動画制作・配信などに関しても、スポンサー企業の協賛金で賄っている状況です。個人の方には福祉用具などの設備を定額制で利用いただいていますが、一式を揃えて購入するとなると一般家庭には大きな負担がかかってしまいます。また、北海道や東京、大阪などの自治体や医療福祉施設からも多く問い合わせをいただいていますが、まだまだ遠方のサポートまでは実現できていない状況ですので、今後はもっとビジネスとしてマネタイズの部分を強化していく必要があると感じています。

事例から経営の基礎やマネタイズモデルを学ぶ

熊本創生企業家ネットワークに入会されていかがですか?

池田社長これまでリハビリの仕事しかしていなかったので、経営に関しては全く知りませんでした。ビジネスとして成り立たせるためにもマネタイズを学ぶ必要があるとも感じていますし、その点に関しても本郷塾や例会における他社の事例は非常に勉強になります。現在は学んだことを一つずつ実践に移し、試行錯誤している状況です。まだまだこれから取り組むべきことや学ぶべきことは多くありますが、難病を抱えながらも日々奮闘し「プロゲーマー」を目指しているしんちゃんを見て、諦めなければ何でも実現できるんじゃないかと逆に勇気をもらっています。今後は私たちの事業を通してeスポーツでしかできない価値を提供することで、熊本から日本中に新たな可能性を生み出していきたいと考えています。